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ベンガラを塗ってその上から金泥を塗りこむ。金色という色は絵の具にはない。(まぁ最近は特殊な色としてあることはある)ダビンチもレンブラントも金色など使わないで金の光沢を容易に出した。
私は金色が欲しいわけではない。物質的な金属の光沢やそのざらざらした肌合いがほしいのだ。 日本画では昔から金属箔を使用した。有名な作者不明の「日月山水図屏風」は箔を使用した鎌倉時代の傑作だ。あと尾形光琳の紅梅図とか、数えれば切りがない。
そうやって西洋にはこういった伝統はないのかなと眺めてみると、そうそうルネサンス以前のイタリアの祭壇画、たとえばシモーネ・マルティーニとかジョットの聖母、ここらあたりは黄金背景が当たり前だった。
やっていることも画材もほとんど同じで西欧ではテンペラ画といって接着剤に卵を使った、日本はニカワをつかったそれだけの違いだ。洋の東西がぴったりと重なる。
いずれにしろ、金色は人類共通の憧れの色、天上の色だったのだ。
Author:あそびべのはる
画家・榎並和春です。HPはあそびべのHARU・ここだけの美術館