
2014「音を観る」F130 混成技法
第88国展
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中国の敦煌の莫高窟にあるような仏さんを描きたいと思った。私の絵はどちらかといえば西洋の宗教画からヒントを得た絵が多かったのだが、特にクリスチャンでもない。古今東西を問わず人の「いのりのかたち」を描きたかったのだと思う。
1500年も前の人々がどんな気持ちでこの千体にも及ぶ仏さんたちを描いたのか。現代の我々が想像することは難しいな。かといって人間がそれほど進化したのかといえばそうでもない。ここ最近ではコロナが世界中にまん延して人々は右往左往した。100年前の疫病の流行時とそう変わらないのではない。人間はそんなには変わらない。
人間は死というものを知った初めての動物かもしれんな。いずれこの世の中からいなくなると知った時に、人智を超えたおおいなるものの存在に気が付いた。いやそれに祈るしかないちっぽけな自分というものの存在に気が付いたのかもしれん。
有史以来人類は色んなものを描いたり作ってきた。千年経って残っているものはすべて「いのりのかたち」であるような気がする。