
2015「旅芸人」F130
第87回国展
調子に乗ってもう一丁
マチエールが凄いので出来る限り大きくしてご覧ください。
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↓の覚書を再掲
国画の大先輩の松田正平がよく書いた言葉に「犬馬難鬼魅易」というのがある。鬼や妖怪など、この世にいないものを描くことは容易く、犬や馬などの平凡なものを描くのは難しいという意味です。そうですね、今は超リアルな具象絵画以外、具象的な意味の分かりやすい絵はちょっと肩身が狭いですね。インスタグラムなどを見ても外国の多くの作家はほとんど抽象的な大画面を気持ちよくすいすいと描いている。気持ちはよくわかる。やっていることも理解できる。かっこいいと思う。でも新しいとは思わないな。やっていることはひと昔前のタピエスや日本の具体美術がやっていたことじゃないのかな。宇宙の成り立ち以前の混沌を提示しただけに過ぎない。私は今あえて具象をやろうと思っている。その方が自分に合っているのかな。日本の具象絵画の歴史を振り返ってみると、今の精密画でない具象画の歴史がある。藤島武二や安井曾太郎、梅原龍三郎などがやろうとしていたことは油彩を使った洋画ではない和画を目指していたように思う。それは西洋画の具体的なリアルな絵画ではなく、曖昧な具象画とでもいうのかな。三岸節子とか脇田和、国画の須田剋太、香月泰男、松田正平、島田章三などなど。時代ではないのかもしれないが、私はそこらへんに日本人としてのオリジンがあるのではないかと思ている。