
2021「収穫祭」S100部分 混成技法
95回国展
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97から数か所を巡回する個展を始めた。最初は地元甲府、神戸、銀座と三か所を一年かけて巡ることにした。誰かが企画してくれる訳ではないので、自分で適当な貸しスペースを探して始めた。そのために小品はかなりの数を描いた。小品は必要がなければ描くことはない。必要に迫られて描くわけだ。
絵を生業にするといっても絵などそうそう売れるものではない。「完売作家」になって一か所で充分な収益が上がれば数か所でやる必要もない。「売れない作家」は数をこなすしかない。私は芸術家などとは思ていない。しがない絵を商う旅芸人(ノマド)だと思っている。
旅芸人で大いに結構だ。芸術家の偉い先生などにはなりたくない。なれもしないだろうけれどね。ただ表現されたものに自身の生き様を乗せたい。それが旅芸人としての私の矜持だ。観た人が思わず引き込まれるような、そんなものが提示できれば本望だ。
常々考えていることは小品のように大作が描けないかということだな。主人公がいて物語がある。そんな絵がおおい。ただ単に風景とか静物というのは少ない。何かしらの人物がいて物語がある。
基本的に具象なんだな。あまり気にしてはいなかったけど、何かを見て描写している訳ではないが、具象絵画なんだな。究極的な具象絵画だと思っている。心に浮かんだ色や形を絵にしている。
ここ二三年の大作は「収穫祭」「祝祭日」「両手で受ける」「ノマドの家族」「泉にて」あたりは小品に近い気がしている。ここらが私の原点かもしれんな。