
これは地塗りの段階ですが、これと上の作品とは何の関係もないように見えますが、基本的には同じことをしています。コーヒーポットがあるので具象絵画のようで分かりやすく見えますが、そこだけに注目していると、この絵は描けません。何も描写していないのです。形としてはポットがありますが、ポットである必要はありません。では何を支えに絵を描いているか?ということですね。感覚といってしまえばそれで終わりなんですが、出来るかどうか分かりませんが言葉にしてみましょう。 話は遠いのですが、私たちの元は星屑です。この宇宙の組成と同じもので出来ています。反対に考えると私たちの中に宇宙があります。どこをとっても例え髪の一部でも宇宙の組成というのか、同じ原理原則でできている。我々の頭の中にそっくりそのまま宇宙があるといってもいい。絵を描く場合、ここに閉じられた世界を構築しなければならないわけで、他の一切の影響を受けない完全に独立した空間である必要があるんですね。「どこをとって私」というのが究極の目指すところだと思います。