
はる 7955
つれづれに
二十歳の誕生日に油絵の道具一式をお袋にプレゼントしてもらった。今でも覚えていますが神戸大丸の手前の小さな画材店だった。あれから半世紀が過ぎた。
絵描きになるとか、生涯つづけていくなどとは夢にも考えていなかった。とにかく日々ぐーたらに生きている息子を案じて「絵でも描けば横道にそれないで生きていってくれるのではないか」という親心だったのではないかな。
何年か夢中になってやってきた時に、絵を描く友人から「絵などやってもどうにもならない、人生を棒に振るだけだぞ」と諭された。その通りなんだけれど、もう後には引けないほどのめり込んでいた。
三十歳になった時に定職に就くことを止めて、とにかく絵を描いていくと決めた。これが大きな転換期かな。
ともあれ、こうやって続けてこれたのは最初にきっかけを作ってくれたお袋のおかげと感謝している。
何故こんなことを思い出したかといえば、今年はお袋の13回忌だ。