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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

今日のアトリエ - 2023.01.24(ポケットの窓から)


はる 7933
 山梨新報一月のコラム
 どこから来たのか
 私の絵はどこから来ているのだろうか? まとまっていないので思いつくまま書いてみます。
 小学校の頃、大きくなりすぎた学校は二つに分かれることになった。一つは昔からの古い学区と、もう一つは我々の住んでいる新しい学区だった。まだ団地という呼び方も珍しく、コンクリートのブロックのような建物が、にわかに整地された丘の上に並び出したころだ。ちょうど東京オリンピックが開催された年で、聖火のマラソンを国道までみんなで見に行ったおぼえがある。
 私達家族は分譲された一画に安普請の家を建てたのだが、それでも早い方で、まだいたるところが売れ残っていてペンペン草がはえていた。道路はまだまだ舗装されていず、雨が降るとぬかるんで大きな水溜りを作っていた。
 特に絵を描く事が好きだったわけではない。物を作ったり考えたりすることは好きだった。まぁ今の絵の半分ぐらいはこのあたりの工作少年から来ているように思う。今でいうミクストメディアみたいなことは当時の工作の一つの方法だった。例えば厚紙だけでは強度に問題がある場合、布をのり付けすれば強くなるということを経験上知っていたし、木と布と紙はとても相性がいいことも知っていた。色を重ねて塗って上から黒いクレヨンを塗りこんで釘でひっかくと面白い効果が出ることも知っていた。
 絵は上手くなかったけれど、なぜか自信があった。これは小学生の頃からだな。同級生に短い鉛筆をくるくる回して鉄人28号や鉄腕アトムをひょいひょい描ける奴がいた。羨ましくはあったけれど、あれは「純粋な絵」ではないと一人合点して済ましていた。
 油絵のような木を描きたいと思った。これは多分絵を描いていたお袋の影響で、点描で生の絵の具をのせていけば、油絵のような絵が描けるように思っていた。画集で観たゴッホの糸杉の影響かもしれないな。
 西欧絵画に初めてであったのは、近所の日曜学校のカードだった。小さなカルタぐらいの聖母子像だったけれど、写真のように美しいカードに夢中になった。今のようにカラー写真や色刷りの印刷があふれていた時代ではないのでなおさらな事だ。賛美歌とか聖書の物語とか聖画像(イコン)とかセピア色の想いでは限りなく美しい。
 もう一つは兄貴たちの影響かな。今考えると子供部屋にはっきりおぼえているのはセザンヌのゆがんだような壺の絵と、安井曽太郎のこれまたゆがんだチャイニーズドレスを着た女の人の絵が飾られていた。
 さて、子供の頃の工作少年とセピア色の聖母子像、ゴッホの絵肌にセザンヌのデフォルメと安井曽太郎を混ぜてあわせると段々に私の絵に近づいて来ませんか。


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