
はる 7913
2023「 野のユリ」途中 21×16cm 混成技法
ドローイング 画用紙 千代紙 アクリル 墨 パステル
ボールペンなど
誰かが私の絵を結果オーライ画法だと言っていた。なかなか言いえて妙だ。まるで計画性がない、どこに向かうか絵に聞いてくれ、描こうと思って描いている訳ではない、出たとこ勝負のでたらめ画法ということかな。誰もこういうふうに描かないし、たぶん描けないだろう。それはそれで一つの方法じゃないかな。七十年かかってここまで来たのだから、今更変えられない。
気に入らなければどんどん上に絵の具やパステル、又は紙を貼り重ねて修正しながら形を探って行く。これはタブローのやり方とほとんどおなじなのだが、ドローイングの場合支持体が紙なので気を付けないと厚くなりすぎて持たない。こういった造形遊び、工作系と呼んでいるのだけれど、こういった手法はピカソやブラックなどのキュピズムの作家がやり始めた手法だ。
物を徹底的に描写する絵画系の作家には我々のやっていることは中途半端な遊びのように見えるかもしれないが、今海外のインスタグラムやSNSをみるとほとんどがこういった工作系の作家のドローイングやタブローでしめられている。描写系の絵画の方が少ないのではなかろうか。反対に美人画系のタブローばかりがもてはやされる日本の方が異端なのではと思うな。