
はる 7793
私の絵ではあまりないタイプの絵です。マチエールもほとんどありません。前にも書いたけれど絵を描く工程みたいなものが決まっていません。アバウトには決まっているのですが、その時々の成り行きで変わってしまいます。何が出てくるのか自分でも予測不可能なので、そこが面白いといえばそうですし、作品の質にバラツキが出る可能性もある。それもこれも私ということで見てもらうしかないな。
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「音を聞く」の聞くというのは何故門かまえなのか、不思議に思ったことはありませんか。そういえば「闇」という字も門がまえです。「問」という字もそうですね。調べてみると共通することがありました。ここでいう門は普通の家の門ではありません。廟門という宗教的な意味合いの門なんですね。神といってしまえば簡単ですが、西欧的な唯一神ではなくもっとこう人智を超えたおおいなるものといった意味ではないかな。そういった門前に願い事や悩み事を書いたお札を神聖な器に入れて祈るわけです。それが「問」です。そして何らかの兆しは真っ暗な闇のなか「音をつれて」やってきます。それが「闇」という字の語源でそれを耳をそば立ててきくのが「聞」だそうです。ちなみにその音を聞くことが出来る人を聖という。なかなか興味深いですね。
白川静「字統」より