
はる 7646
2022/4/10裸婦クロッキー
鉛筆 コンテ 木炭
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クロッキーは面白い。絵を描くことの面白さの原点がそこにある気がするな。風景も静物もそれぞれに面白さがあるのだろうけれど、人間を描くというのはあらゆる表現芸術の最も基本になるものではなかろうか。喜怒哀楽全ての感情がこの人間の肉体の中に宿っているわけで、それを何らかの形で引きずり出してゆくというのが表現にかかわる者の使命だという気がする。
ちょうど古希の誕生日にクロッキー会があったのも、これからも精進して絵を描き続けろという暗示かもしれん。
さて、どうすればクロッキーが上手くなるかという質問を受けたので少し考えながらかいてみる。
手業みたいなものは何でもそうだけれど、近道はないのだな。これさえできれば免許皆伝みたいな魔法は存在しない。地道にたくさん描くしか上達する方法はない。上手なものは最初から上手いのだな、ただ下手くそに救いはないのかといえばそうでもない。よくしたもので下手くその方が時間はかかるけれど人を惹きつける何かが生まれる可能性がある。上手い人はさらっと上手さだけで終わってしまいがちだからだな。だから下手くそでも諦めることはない。
クロッキーと言えど絵画であるわけだから、ここには絵画の王道の原理原則が備わっていなければならない。それは「部分であっても常に全体を描く」ということなんだ。どうしても小さな目鼻立ちみたいなものに目が行ってしまうのだけれど、その部分は画面全体のどのくらいの位置にあるかを常に意識することだな。これが出来れば目や鼻などあえて描く必要もないくらいだ。これが私が長年やってきた秘密の奥義だな。どうか頑張ってやってみてくださいな。