
はる 7592
いつの間にやらもうすぐ古希を迎える。二十歳前後の頃と、何も変わっていないのに歳だけは一人前の老人の部類にはいいている。誰が見てもどうみても立派な老人だろう。もうすこしましな人間になるつもりだったが、大した者にはならなかったな。大器は晩成するというけれど、今やもう遅すぎるだろう。
しかし、あの何者でもなかった二十歳前後の頃を思うと未だにつらくなる。みんなそうかもしれないが、どこかに就職して働けば何かがどうにかなる保証はあるのか?自分には何が出来るのか、これから一生かけてやれるほどのことがあるのか、誰も分からない。何もわからない。学校ではそれなりの進路指導をしてくれるのだけれど、ただ単に会社を選ぶだけじゃないか、それが自分の一生を決めることになるのか。
就職しないで生きることを真剣に考えていた。何故かな?働かされる、好きでもないことをやりたくないということかな。使われていると結局は自分の時間を労働に変換しているわけだ。それだったら自分の好きなことをやりたい。それで一生が終わってしまってもいい。そんな覚悟かな。
フリーランスで生きるということは簡単なことではない。そうせざるを得なかった人間だけがフリーになるのだ。真面目に堅気の仕事ちゃんと勤まるならば、フリーになる必要はない。