
はる 7575
このところ春から夏にかけての個展に向かって50点ぐらい同時進行で描いている小品を描きためている。昨年の秋の個展以来だから私にとっては充分な時間はあるのだが、正月やら何だかんだで出遅れてしまった。
イメージというものは溜めておくことができない。アイディアといってもいいか。その時にいいと思ったものでもどんどん古くなって新鮮味が無くなってゆく。どんどん描いて行くしか鮮度を保つことが出来ない。それとイメージはどんどん汲みださないと枯渇してゆく。泉と同じだ。
私の描き方はどこかにその見本があるわけではなく、自分で考えて作り上げてきたものだ。それ故手順を忘れないために毎回ある程度メモっている。ところが同じことを繰り返していると飽きてくるので、すこし新しい試みを入れるものだから、結局のところ毎回訳が分からなくなって手順などどうでもよくなってしまう。最終的には自分の感覚で仕上がったと思ったところで終了となる。
もう40年も同じようなことをやっているにも関わらず毎回泥沼に入り込んでしまう。俗に40にして惑わずとかいうけれど、古希を迎えようかというこの歳になっても惑ってばかりだな。惑って惑って混迷を深めた時は私はもう描けないのじゃないかと絶望的な気持ちに陥るのだが、ひょんなことから光明が見えて仕上がりが見えてくると一気に気分もよくなって鬱状態から抜け出す。そんなことの繰り返しだ。
今回のこの墨の下書きもそんなところだ。今までもやっていたことなんだけれど、ここまで気が付かなかった。