
はる 7461
2007「おおいなるもの」F130 ⓔ混成技法
山梨英和大学蔵
かたちがかなり自由になってきた。壊れてきたともいう。
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人はものを考える動物だ。サルや犬も考えているかもしれないが、彼らには今・ここしかない。人はここにないものを想像することができる唯一の動物だ。過去があって今がありそして未来を考える。たぶん言葉という道具でもって考える。想像する余地のないものはあんがいつまらない。
ものを考えるといっても、学校の課題のようにこれこれを考察して1500文字で報告しろなどという事ではない。ほとんど瞬時に浮かんでは消えてゆくうたかたのように、とめどもなく人はものを考えている。それをつなぎとめて置くためにはメモするなり文章にしたり絵にしたりするしかない。それが一番手っ取り早い。
もうわかっていることをどうして描こうとするのか。説明できない分からないものが突然どこからとなくやってくる。とてつもなく大きなものだ。恐ろしくなる。分かっていると思っている自分は半分もない。だからおもしろい。
私の表現はそうやって作って行く。何もないところに一つの点を打つ。打ったことで世界が一変する。閉じられた空間の維持のために一斉に点なり線なり色なりを欲してくる。それがやがて大きな理の中で存在するものに見えてくる。