
はる 7434
1995/9/21「イタリアスケッチ」 水彩
本人蔵
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定職についた期間が短いので、当然年金も少ない。元々当てにしてなかったのか、若い時は考えなかったということだな。派遣やアルバイトやパートタイマーなどという仕事はその時はそこそこ収入があるのだが、長くても一年契約で更新されるものだから何のキャリアにもならない。学校の非常勤講師などという仕事も同じ臨時雇いのパートタイマーで、もともとそれだけで食べて行ける仕事ではない。
私は絵を描いて行くことにした。それで食べて行けるかどうか、将来はどうするのかは考えないことにした。そうでなければたぶんやって行けなかったからだ。絵を売るためのハウツー本がにぎにぎしく巷を賑やかしているけれど、絵を売って食べて行くより他の仕事をした方が効率がいいように思うな。職業と考えるならあまりうまみのある仕事ではない。
私はあまり仕事とは考えていないな。仕事は嫌いだから。まして働かされるのはもっとも嫌うところだ。きっちり定職をもつことは憂鬱になるので嫌だし、まったくどうしようもない。そうやって今まで来てしまった。職業ではない、思索家とか夢想家とか空想家とか散歩家とかそんなのが似合っている。そうやって世の中を欺いて食べて行ければそれに越したことはない。