
はる 7430
2021「両手で受ける」 F0 部分
未発表
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これは尾崎放哉の「入れものがない 両手で受ける」から取りました。
いつの頃からなのか、自分の中には憂鬱の虫が棲んでいて、何か事あるごとに目を覚ます。特に雨の日の午前中は起き上がれないほどつらかった。子供の頃はただ単に怠けものの性分のせいだと思っていた。いや確かにそれもあると思う。それを何とか騙しだましして一応社会生活をしていたのだけれど、30過ぎた頃にもう限界だと思い定職を持つことを辞めにした。絵を描くためとか何だかんだ理由を付けてはいるが、結局のところこの虫のせいだと思う。あれから40年過ぎた。相変わらず憂鬱の虫が騒ぐ。
これはたぶん漂泊者の歌だと思うな。何となくシンパシーを感じる。奇麗やかわいいだけが全てではない。分かる人にはわかるだろう。