
はる 7317
子供の頃のお正月に呪言唄を歌いお金を稼ぐ門付芸人が回って来た。おもしろそうなので付いて回っていたら、親はあまりいい顔をしなかったな。旅芸人はテキ屋とか香具師、傀儡師など胡散臭い雰囲気がぷんぷんする。まともな連中からは白い目で見られるのだけれど、それがなんともいえない魅力なんだな。定住せざるを得ない人々にとって旅人は法外の迷惑な人ではあるけれど、はれのひの楽しみももたらしてくれるなくてはならない存在でもあったのだな。
言祝ぐ(ことほぐ)人を祝い人(ほいと)という。ほいととは乞食のことでもあるんだな。吟遊詩人など定職をもたない流れ者は人様に施しを受けて食べてゆくしかなかったのだろう。それをまた社会全体が温かく見守っていたようなところがある。いずれは自分たちも行く彼岸への道のりとしてね。