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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

散歩道 - 2021.01.31(ポケットの窓から)







はる 7215
 30になった時にまた同じように教員を辞めてフリーターになったのだが、その時にはもうかなりの覚悟が決まっていたので同じぷー太郎でも一回目のぷーの方がしんどかった。歳は24だったか。

 本当は仕事を辞めたら、いっぱい絵を描いて売れても売れなくても暮らして行ければいいやと思っていた。そのころ大阪と京都の中間のど田舎に住んでいたので、毎日絵の道具もってスケッチに出かけていた。気持ちは解放されていいはずなのに、何となくというのか、将来の事考えると暗澹たる気持ちになった。絵なんか描いても一向に気分は晴れなかった。

 無目的に仕事を辞めてしまうと社会との接点がまるで切れてしまう。学生ならまだそれなりの仲間がいるかもしれないが、たった一人で田舎に暮らしているとかなりの覚悟をしないと暮らしてはゆけない。この世の中にたった一人で生きているような感覚に陥る。電車に乗っても昼間っからプラプラ遊んでいるようで、みんなが私のことを非難がましく噂しているように感じるんだな。これは半分以上精神がおかしくなっている。やばいなぁと思った。

 一二か月ぷーでいただろうか。お金もだんだん少なくなってきたのでアルバイトすることにした。色々さがしたけど、一日中働くつもりはないので、生活を最低限切り詰めて午前中だけ働いて午後からは絵を描こうそう決めて、近くの八百屋さんでアルバイトすることにする。早朝に市場からセリ落としたものが入荷してくる。それを倉庫で仕分けするそんな仕事だった。何だかんだあったけれど、働くようになって少しばかりのお金も入るようになって生活は軌道に乗ったように思われた。基本的には何にも解決してないのだけれどね。

 絵を描くといっても今から考える趣味に毛が生えた程度でね、最初の手ほどきは学生の時に近くのカルチャー教室のようなところに週二回ほど行って、クロッキーや静物を描いていた。先生の評価は高かったけれど、それだけのことだ。何の足しにもならない。一体私は何がしたいのか?ただそんな風な自由人に憧れているだけの人間ではないのか?そこらあたりはけっこうつらい日々だったな。



















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