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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

今日のアトリエ - 2021.01.30(ポケットの窓から)


はる 7214
 今だから偉そうな事書いているけれど、その当時はそれどころではなかった。一番大変だったのはいつだろうか。大阪の大学を卒業してまともな就職もせず、焼き物の絵付けをしていたことは何回か書いたな。それも切羽詰まった究極の選択で、親父が小さな土建屋をやっていて、兄弟誰も継がなかったから一番下の私にお鉢が回ってきた。それが嫌でいやでしょうがなかった。ぶらぶらしていると否応なくやらされそうなので、何とか逃げの一手で焼き物の工房に入った。だから焼き物に興味があってというわけではないんだな。

 そうこうしているうちに親父が亡くなってしまうんだな。親不孝ここに究めりだけれど、会社もだれか他の人に譲って、結局私は焼き物の工房も辞めてしまう。そこからの一年が本当にぷー太郎で所持金もほとんどなく、今更家に帰れるはずもなく、将来は全く見えず一番つらかったな。絵を描いて行こうとは思っていたけれど、さてそれが将来の仕事とつながるとはとても思えなかったし、どこかに出品して誰かに認められたなどということもなかったわけだから、本当に何もないただのぷー太郎だった。

 今でこそ若いうちは長い旅に出て、ボランティアや色んな興味のある仕事をやってみればいいなどとわかったようなことを書いているが、周りの大人はだれもそんなこと言ってはくれなかった。まぁ相談したこともないのだが、当時は一度リタイヤした人間は落伍者の烙印をおされて一生浮かびあがれないと思っていた。アウトサイダーに憧れていたけれど何もにも属さないというのは結構ボディーブローでこたえる。



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