
はる 7082
赤を置いた。赤と金と黒と白で形を探り出してゆく。最終的にはモノクロームになるかもしれんな。色即是空というけれど、ここでいう色というのは「欲」ということことだと聞いた。欲というの悪いことではない。人は欲があって生きている。食欲も性欲も睡眠も生きる欲も基本的には皆同じ。欲がなければ生きる事さえままならない。それをどうにかコントロールして生きている。欲をなくしたら死ぬしかない。ただそうだな、時々おもう事がある。食べないでいたらどこまで耐えることが出来るんだろう。禁欲的に自分を追い込んでみたい。修業中の坊主のようにそんなところかな。
どうしてもうまく見せよう。腕が立つことを見せよう。達者な技術を見せよう(ないのだけど)とするところがある。それは自分の劣等感の裏返しだと思うのだけれど、しっかりしたデッサンの裏打ちがあると見せようとする。それはものすごく上手な今流行りの美人画と同じことなんだな。ひにくれ者だから素直じゃないけど、結局は上手いところを見せようとしているんだな。だれもこんな風には描かない。絵描きは上手く絵を描いて普通だと思われている。そうじゃないだろう、生き方だから絵は道具に過ぎない。
絵など描いたことがない人が初めて描いたように描きたい。上手さを見せない。技術など全く使いたくない。太い筆で墨をドボッと付けて、不器用に描きたい。そんな風に描けないだろうか。まぁ結局無難ないつもの感じにおちつくのかもしれないが、やってみよう。あと二か月ある。
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