
はる 7073
実は画面を床に置いて仕事をしている。そうでないと水性の仕事は絵の具が垂れてしまう。そこが油彩と大きくちがうところだ。画面が大きいので床に置いた場合真ん中あたりに板を渡してその上に乗って仕事をする。やっている途中は全体が見えないという不都合があるが、垂らし込みという上から絵の具を文字通り垂らし込んでゆく技法が使える。これは油彩画で細かく描写してゆく作家には信じられないけれど、へこんだところに絵の具がたまって自然に濃くなったり、にじみとかぼかしというふうな技法が使える。
金を全体に薄く解いて散らした。こうなると下地がかなり見えなくなって落ち着いた感じになる。まだまだこれからどうなるか全くわからない。ダメもとでやってゆくしかない。
金は私にとってすこぶる大事な画材だが、絵の具の三原色+白+黒では絶対に得られない特別な色といえるかな。色ではあるけれど色ではないみたいな変な位置にある。金を使いだしたのは油彩画をやっていた時からだけれど、本格的に多用しだしたのは混成技法になってからだな。下地に金が塗られることでイコンのような宗教的な荘厳な感じがでる。下からにじみ出るような光というのかな。西洋でも東洋でも金は背景としてよく使われている。古今東西人は金色に不思議な力を感じていたのかもしれん。もちろん金は本物の金ではありません。あしからず。
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