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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

今日のアトリエ 地塗り - 2020.07.11(ポケットの窓から)


はる 7012
 阪急の個展が終わって一息というところだ。次の個展まで五か月くらいある。私にとってはかなりの間隔だ。年に多い時は6回、少ない時でも3回は個展を開催する。単純に計算しても三月に一度は個展を開催している勘定になる。大変ですね、とはよく言われるけれど、同時開催ではなく持ち回りの巡回展なのでそうでもない。同じ絵をそれぞれの場所で展示するというわけだから、何のことはない年一回の個展と変わらない。ネットやカタログ販売でない限り、一つの作品を場所を変えて出来るだけ多くの人に見てもらうには、こういった方法しかない。

 こういった巡回形式に特化した個展の方法は、インディーズのロックシンガーやグループをみて思いついた。彼らはメジャーになるよりも、各地方の小さなライブハウスなどでアットホームなコンサートに招待されてそこでライブをしながら自主製作のCDを売って生業にすることに自分たちの居場所を見つけた。メジャーになれば確かに多くの人が一度に聴いてくれてマーケットも比べ物にならないくらい大きいけれど、反面自分というのを見失いがちだ。そこに生き方があらわれるように思う。誰でも知っているよりも、知る人ぞ知るでいいとしたわけだ。

 97年からどさまわりの旅芸人暮らしを始めてもう20年も過ぎてしまった。むろん最初からスムースに巡回できたわけもなく、いい時もあれば悪い時もある、一つ一つの展覧会の良しあしには一喜一憂しない根性も着いてきた。トータルで何とか生きて行ければいい。

 今を時めく「完売作家」の話が載っていたけれど、負け惜しみじゃなくうらやましくない。売れることは大事な事だけれど、たぶん今だけのことですぐに消化されてしまう。作家としては非常に息の短い短距離走だと思うな。爆発的に売れると短命で終わる。作家の人生は死ぬ時まで続く、息の長いものだ。それこそ生き様であり、生き方を問われるわけで、小手先の技術などどうでもいいことだ。

 コロナ騒ぎで大きく世の中が変わるだろう。大企業に就職して一生安泰だったのはすでに過去のことだ。この間大阪に向かうのに新幹線に乗ったのだけれど、以前はあれほど超満員だった東海道も一つの車両に10人ぐらいしか乗っていなかった。むろんこれから少しずつ増えてはゆくだろうけれど、昔のようにはならないのじゃないだろうか。テレワークで仕事が出来れば自身が出張して無駄な出費をすることはない。必要とされる仕事と残らない仕事がでてくるだろうな。大きくざっくりと変わってゆくだろう。

 デパートで個展の雑感。また次の機会だな。

 




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comment(2)

 
 
本物は残ります。淘汰されないことを祈ります。

 
「大きくざっくりと変わってゆくだろう。」
全く同感です。世の中が変わる、その有様をこの目で見、この体で感じられる。本当に得難い体験となりますね。

secret


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