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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

いも - 2019.12.29(ポケットの窓から)


はる 6814
 88年に初めて東京で個展を開催した。もちろん貸し画廊というシステムは知っていたけれど、いったいいくらぐらい費用がかかるのか皆目見当がつかなかった。はっきり言って完全なお上りさん状態だな。前の年の夏に一人で資料をもって銀座の画廊を片っ端から見て回った。噂には聞いていたけれど、本当に100や200ですまないほど画廊が存在するだな。それもビルの3階とか5階とか、ほとんど知らないと誰も来ないようなところに貸し画廊はある。こんなんでやって行けるということはそれだけ需要があるということで、凄いもんだと感心した。

 今から考える、これらの画廊はスペースを貸している箱やさんで、画商ではない。利益はスペースを貸す絵描きから取るわけだから、需要があるのはそれだけ絵を描く人がいるというだけなんだな。趣味で絵を描いてお金を出してスペースを借りて展覧会をするそういった人たちがほとんどだということをその後知った。

 まぁ最初から知らない人にどんどん売れるような絵なら画商さんも商売だから触手を伸ばしてくるだろう。今もそうだけど、私の絵はそういった絵ではない。最初の画廊のオーナーとはその後、食事に行ったり随分と仲良くしてもらって、その後5回ぐらい個展をさせてもらった。もちろん貸し画廊としてだけれど。まぁほとんど身内にしか売れなかったけれどね。

 オーナーが言ってたことを思い出す。自分のファンを増やしてゆくこと。ある程度定期的に発表を繰り返すこと。すぐにファンが着くものはすぐに飽きられる、じっくり自分の絵を描くこと、我慢すること。などなど。今になってその通りだと思う。今もそんなには変わらないけれど、何とか続けてやって行けているのはそこがあったからかな。その画廊は今はない。

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