
はる 6620
私たちの若い頃は表現するとか、メッセージを出すにしてもほとんど限られた手段しかなかった。それでも街中で詩集を売るとか大学でアジ演説をするとか、たまたま恵まれればラジオに出て何かしゃべるとか、その程度しかなかったな。一番手っ取り早いのが芸能人にでもなって多くの人の前で、テレビにでも出てインタビューされるとか、そんなことしか手段がなかったな。
日記を書く習慣があったので、学生時代は日々あった事考えたことなど何でもかんでも大学ノートに書いていった。高校時代からのノートの数は100冊ぐらいあったのではなかろうか。もったいないという気持ちもあったが、2000年に病気していつ死ぬか分からないと思った時に全て処分した。今はもうこのブログしかない。闘病記が最後の日記と言えばそうだな。これは残っている。
ブログを始めて日記に書くことがなくなった。本当は公開を前提に描くブログと非公開の日記とは内容は違うはずなんだけれど、毎日書いてゆくうちにどんどんその差が無くなっていった。どれだけ隠していても自然と出てきてしまうものだろう。
ブログとかSNSは個人の新聞のようなものだ。どこの馬の骨とも分からない人間の一日の記録など誰も読みたいとは思わないのだろうけれど、こうやって誰かにむかって発信できる。少し前から見れば夢のような道具だと思うな。ただしいいも悪いも、ピンからキリまで何でもアリの玉石混合で有意義な情報を選ばなければならないので、かえって難しくなったところもあるな。