
はる 6602
個展で一番印象に残っているのは何と言ってもイタリアで開催した個展(1995年)かな。履歴には奨学金を貰って留学のように書いてあるけれど、実際は渡航費ぐらいしか援助してもらっていない。ほとんどが自費でまかなった遊学だった。今ではたぶん留学ビザか就労ビザがなければ同じ国に3か月以上滞在できない。当然当時もそうだった。けれど、長く滞在していた絵描きの経験者に聞いたら3月ごとに海外に出ればいいんだと教えてくれた。本当は見つかれば違法で悪くすれば強制送還になってしまう。まぁ当時はけっこういい加減だったな。一度だけイギリスの空港で止められたけれど、その時たまたま帰国のチケットを持っていたので無罪放免になった。
今でもあるのかなオープンチケットといって一年間有効の世界一周航空券だった。航空会社は何処でもよかったとおもう、西回りにゆくには何度でも乗り継いでゆくことが出来た。まぁこれが一番安かった、だから帰りは西回りでニューヨーク経由で帰って来たんだ。若かったから何でもできた。
せっかく異国に滞在しているのに部屋にこもって制作しているのじゃもったいないので、一年間はアトリエ制作は全くしなかった。戸外を歩いて、外国を旅してスケッチするという日課にした。その成果を町の小さな劇場のホールで展示した。