
はる 6600
人は自分の生きてきたように死んでゆくらしい。彼は偉大な祖父に憧れて、やがては大きな権力をもつようになった。想像するに彼は勉強が嫌いだった。何故なら周りの人がみんな高学歴で優秀な頭脳の持ち主だったからだ。小さい頃から多くの人にかしずかれて育った坊ちゃんは、自分に異を唱えるものが大嫌いだった。追い詰められれば適当にその場しのぎの嘘をついていれば、周りの人が何とかしてくれた。嘘つきの習性で嘘と本当が分かちがたくなってしまった。お小遣いは使い切れないほどあった。そもそもお金を稼ぐという発想はなかった。気に入った連中にはどんどん分け与えた。そうやって自分の取り巻きをつくっていくのが自分の処世術となった。他人のものと自分のものの区別さえ曖昧になってしまった。今もそうやって莫大なお金をばらまくことで、おこぼれに預かろうとする取り巻きに囲まれてちやほやされることが自分の政治手腕だと思っている。それを世界中でやるからたまったものじゃない。その下についている人々はバカだから誰もそれを糾弾しない。それでますますずに乗って坊ちゃんぶりを発揮できるというわけだ。気にそまない憲法は変えちゃうもんね。爆撃機でも軍艦でも何でも買っちゃうもんね。そのうち徴兵制にして私の国を守ってもらうもんね。それのどこが悪いの?