
はる 6359
13 ナルニの街角 5 '95/9/27
八月三十一日から長い旅に出掛けた。まず利夫さんたちとサルデニア島に二週間のバカ ンス、その後イギリスに渡り九月二十五日に帰国。又以前の生活に戻った。
ガリバルディー広場から市庁舎と反対の道を行くと、急な坂道になる。狭くくねった石 畳を息を切らせて登って行く。視界がどんどん開けてドゥオモ(聖堂)がやや下に見えて 来る。要塞状の岩山に張りつくような家のつくりは、何処も似たようなものだが、何故か 懐かしい気がする。
子供がいろんな形をした積木を釣り合いを考え、積み上げたような、 一つ一つはばらばらで、一寸油断すれば脆くも崩れてしまいそうでありながら、微妙なバ ランスを保って成り立っている。懐かしさはその統一感から来るものだろう。
九月になってもまだまだ日差しは強く、日向に出ると自然に汗ばんで来るが、手前の家 の日陰になっている所に座り込んで描いていると、下から吹き上げて来る風は冷気を含ん でいて心地好い。
昼時前だが下町の馴染みのピザ屋で買って来た、マルゲリータ(トマト とモッツァレラチーズ)を頬張り軽く腹ごしらえをする。そして最後のアクセントを付け そろそろ光の様子が変わって来たので終わりとする。