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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

今日のアトリエ - 2018.07.26(ポケットの窓から)


はる 6294
 地塗りは三原色で塗り分ける。最初はほとんど赤ばかりだったけれど、最近はほぼ同数になってきた。まぁそれぞれが引き立てあってくれればいいのじゃないかと思っている。

 なぜ三原色かといえば、すべての色はほぼ三原色に分解できるからだ。世界の始まりはビッグバンからだといわれている。その一番最初の世界の塊にはすべての物が詰まっている。時間や空間さえ一つの塊の中にあるのだから想像する事さえできない。画家は神に代って一つの閉じられた世界を構築する。絵画は色と形のバランスなのだけれど、まず最初にすべての色の元になる三原色から始める。誰に習った訳でもないけれど、いつの間にかそれが自分のスタイルになった。

 パネルに綿布を水張りする。このやり方もいつからそういうスタイルを取ったのか、よく覚えていない。気がついた時にはこのスタイルになっていた。綿布を水張りする意味は、パネルに直接絵を描くと下からパネルの地のベニヤから灰汁がでるから、それから次に貼りこむ麻布との肌合いの違いが出せるからだ。この上からジェッソを塗り重ねるのだが、これは西欧のイコンの作り方とやや似たところがある。イコンは白亜のジェッソを塗り重ねるのだが、私は既成のアクリルジェッソを使う。何度も塗り重ねることで下地と布が一体となって、かなり強固な造形物となる。物としての存在感がかなり強くなる。

 このスタイルは私の学生時代の一種の流行から出てきたものだ。流行といってしまえば軽いけれど、かなり本質的な物作りの問いかけだったようなきがする。日本に油彩画が入ってきて約百年とすこしぐらいか。当時は西欧の文化を否応なく真似することで必死で、絵画もご多分に漏れず何の疑いもなくキャンバスに油絵、たぶんすべで輸入ものだったんだろうな。それでも当時の人は勤勉だからそこそこの油彩画を描けるようにはなってきたと思うだな。

 でまぁ百年経って生意気にも西欧と拮抗できる経済力も科学も持ってきた訳だ。そこでなぜ我々は油彩画など描いているのだと疑問に思う人が出てきた。はっきり言って油彩画は西欧の風土の中から出てきた絵画技術で、モンスーンの日本の風土の中では今一つしっくりこない画材なんだな。で、すこし考えてみようという風潮になってきた訳だ。

 絵画の材料学というのが注目され始めたのが我々の学生だったころだ。そこで今の既成のキャンバスや絵の具を画材店に買いに走るのではなく、その部分から疑ってみよう。自分達で作ってみようという流れが出来てきたんだな。

 そうやって考えると、下地は別にキャンバスでなくていい訳だ。麻布を買ってきて自分で地塗り塗料をつくって塗ればもっと自分に合った安いキャンバスができる。絵の具も顔料から作って仕舞えとなってきた訳だ。

 

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comment(2)

 
 
そうですね。表現は自分の立ち位置を根底から問いかけることなしにありえませんね。そうすることで強い表現になると信じています。

 
非常に興味深いです。絵画の方法論が、日本文化論につながっていますね。

secret


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