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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

ポケットの窓から - 2018.05.25(ポケットの窓から)


はる 5232
 山梨新報の新しい記事が出ました。ということでそれを転載しておきます。ただこのブログを読んでいる方には珍しくない話です。それもそのはず、ここで一度書いた記事を新聞用に書きなおしたものですからね。
・・・・・・・・・・
「絵を観る事」
デパートで個展を始めて10年になる。町場の画廊とは不特定多数の人を相手にしていることが大きく違う。私の作品は見た物をそのまま描いたものは少ないので、ほとんどのお客さんは私の絵に関心なく素通りする。

それでも時々絵を観て足を止めて「なんだこれは」と不思議そうにそろりそろりと入ってくる人がいる。まったく存在さえしないかの如く無視する人もいるわけだからその違いって何だろう。単に興味がないというだけなのかな。

 どこかに惹かれる、引っかかりを感じるということはどういう事なんだろう。それは単に色なのか、形なのか、絵肌なのか、どこかで観たような色や形だったのか、それとも不快だったのかもしれないな。気持悪いとか。いずれにしろ何らかのきっかけで気持ちが動いたわけだ。それでもまったく無視されるより数倍嬉しい。

 絵の中にはその人のカケラが隠れていると思うんだな。それが何だか本人さえ分からないカケラなんだ。それが心をチクチクと刺激する。ひょっとしたら子供の頃にみた夕焼けの色だったかもしれない。土遊びした湿った泥の感触かもしれない。どこかで観た映画のワンシーンかもしれない。そこに本人の記憶のカケラが隠れている。

 絵を観ることでそんなことを思い出すきっかけになればいい。作家が提示したものと同じでなくてもいいんだ。いや同じであるはずがない。生きてきた過程がみんな違うんだもの。そうやって心の中を探って行く道具になればいい。そうでなければ絵や文学や芸術を鑑賞する意味がない。

 優れた技能や才能を堪能するするのも一つの鑑賞の仕方だと思う。けれどそれだけだとまだ不充分だ。そこから始まってさらに自分の記憶の旅に出ることで楽しみはもっと増えると思う。それが本来の芸術の楽しみ方ではないのかな。さぁ絵を観て自分のカケラを探しに行きましょう。


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