
はる 6164
昨日のクロッキーの一つ。こういった角度から描くのは凄く難しい。人間の頭脳というのは普通に日常的にみている物はそのままの形で認識している。だから立ちポーズだとかすわりポーズみたいなものはいつも見慣れているので普通に描ける。ところがこういった寝ポーズ、それも普通見ることが少ない位置からのポーズというのは異常に難しい。
特に顔など少し克明に描こうとすると見たこともないような形にひしゃげているわけで、鼻の穴を下からのぞきこむような形というのは難しい。だから面白いともいえる。その寸法のバランスが通常の配分ではないわけでそこのところを間違うと絵にならない。そんなところが気になって描きこんでいると明らかに時間が足らなくなってしまう。もっと要領よく描けるようになりたいと思う。もう何十年もやっていながらこんな基本的なことがクリアーできていないことに唖然とするな。
よく見えたように描け。よく見ることだというけれど、ただ見てるだけじゃだめなんだな。普通に見ているのは何も見ていない、見えていない。見ているように思いこんでいるだけだ。目には映っているけれど、何も認識していない。観るというのは比べる、計る、発見すると言ってもいいかもしれん。デッサンとは私はこう見ました、という報告なんだな。だから見えないことには何も描けない。新しい発見が無くなった時点で終わりなんだ。それ以上は描けない。