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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

今日のアトリエ - 2017.06.19(ポケットの窓から)


はる 5903
 余計なお世話かもしれないけれど、若い人が作家活動を主に生活して行こうと考えた時にどうすればいいか?ということ聞かれたので、少し自分の体験をもとに書いてみたい。あくまでも私が経験してきたことで広く一般化できるかと言えばそうではないので、その点を踏まえて読んで欲しい。

 個展もすべてが企画で画廊代もDM代金も画廊もちなどという事はたぶんいきなりは無理です。最初は地元の小さな画廊をかりて、まず定期的に個展を開催して自分の顧客を増やすことです。できれば毎年同じ時期に定期的に開催するのが望ましい。そして大事なのは義理でも何でも購入してくれたお客さんに丁寧な礼状を出すことです。そうすることでそのお客さんが自分のファンになってくれるでしょう。要するにここでもすでに結論めいていますが、個人企業ですから自分の顧客を増やすこと。それだけなんですね。

 次に自分の住む町から出て、出来るだけ大きな街の画廊を探すことです。これには結構お金がかかります。グループ展はだめです。グループ展の何回やっても同じことです。仲間内の楽しみでしかありません。趣味ならそれでもいいのですが、プロになるなら個展です。

 画廊代も最初はレンタルですから、最低でも15万から20万かかります。それにDM代金やその郵送代、額縁やその輸送費、それから滞在費。それだけでもざっと50万以上考えていた方がいいでしょう。それでもやった方がいいと思います。絵を生業にしようと思ったならば、そこで躊躇するくらいなら止めた方がいいでしょう。ただ東京なら銀座で個展を開催したからと言ってすぐに直接何かが変わることはありません。何もありません。でも自分の心意気です。それを数年続ける気概があるならきっと誰かが助けてくれるでしょう。

 DMにはお金をかけるべきです。どこでどうつながるかわかりません。それから出来るならHPを持つべきですね。そこから自分を気にってくれたお客さんもですが、何処かの画廊が目をつけてくれるかもしれません。10年そんな活動を続けていれば一度や二度そんな話が舞い込んできます。いろんな詐欺まがいの話も大いにあるのでそこの点よく気を付けて、上手い話には乗らないことですが、ただそんな中にも時々飛び抜たチャンスがあるので、よく吟味することです。

 大事なのは自分と相性のいい、自分の作品を好きでいてくれる画商さんを複数見つけることです。そうやって全国で何か所かベースになる画廊が出来れば、毎年でなくても隔年でもまわって行けば、同じ作品でも複数回展示できる機会ができるので、顧客に触れるチャンスも増える。数年に一回限りの個展で食えるならそれでもいいけれど、無名の作家で食って行くにはそうやってできるだけ多くのチャンスを生かす工夫が必要でしょうね。

 今私は年に最低でも四回ほど個展をして全国を回っています。まぁそれで充分に食えるかと言えば正直なかなか厳しい。だから他の不定期の仕事を入れていますが、それでも絵を生業にしていることに誇りを持っています。なんとか死ぬまでこんな風に生きて行ければ幸せだなと思っています。望むことはそれだけですね。何か参考になれば嬉しです。

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comment(2)

 
 
 フェイスブックでつながっているとけっこう若い人で絵を描いている人が多いのですね。まぁいずれにしてもマイナーでしょうが。絵を描き始めた頃を思い出します。

 
好きなことで食っていく。つらくて、厳しい。でもこれが楽しい。だから続ける。
榎並さんの「初心」の心意気を感じます。

secret


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