
はる 5624
ここだけの話。私の絵は実は絵ではないのです。絵のような姿形をしているので絵と勘違いしますが、実際は絵ではないのです。もっとはっきり言えば絵を描くことを止めてしまったのです。かろうじて絵を描いていたのは油彩画のころまでで、ミクストメディアになってからは絵を描くことを止めてしまった。誤解していた人には申し訳ない。絵ではありません。ですが交換はいたしませんのであしからず。
絵というのは対象を見て、また見なくとも想像してそれに出来るだけ近づけようと色々な材料を酷使して再現しようとするものです。イメージをメッセージとして再現しようとするものです。例えば裸婦を見てクロッキーします。その時に使う脳と今私がやっている時に使う脳とははっきり違います。クロッキーしている時は出来るだけ頭は使いません。忘我になればなるほどいいクロッキーが描けます。たぶん絵を描くとはそういう事じゃないかと思う。
ならばここにある物をなんと呼べば適当なんでしょうか。近いのはオブジェかな。一応何か再現された図像はあるけれど、これはリアルな再現性を求めたものではない。ある意味で図柄とか文様とかに近いものじゃないだろうか。ですから出来るだけ何か参考になるような物を見ない方がいいのです。リアルになればなるほどやりたいことからは離れて行きます。肉付けも必要ありません。観る人にある種のシンボルとしてメッセージだけ伝わればいいのです。そのための図です。
けれど、基本になっているのは原理はセザンヌです。「部分が全体で、全体が部分」世界はこの原理で成り立っている。
屁理屈です。あしからず。