
黎明④
はる 5608
他の国の事は良く知らないのだが、日本の場合学校出て新卒で入社するということがまず求められる。中途採用とかヘッドハンティングみたいなものもあることはあるけれど、未だにやっぱり新卒一括採用みたいなものが三割高みたいに言われる。生え抜きというのかな、子飼いというのか、あまり寄り道をせず純粋培養、純血種みたいなものが価値あるように言われる。反対に利を見て天秤に掛けるような生き方はあまり良しとされない。あいつは利にはしっこいと言えば悪口になる。
だから、未だに学生は卒業年がくればリクルートスーツを着て就活に奔走する。言ってみれば小学校から始まる受験競争の最終コースがこの就職にかかっていると躍起になるわけだ。またそうしないと企業にとっても優秀な学生も集まらないからだろう。
そうやって目の色変えて人生の最後の選択に奔走して、甲斐あって有名どころに就職できたとしてやりたいことなど何もやらしてはもらえないという事にやがては気付く。いや自分は何かをやりたくて会社を選んだのではなく、食べるために奉公先を選んだに過ぎないことに今更ながら気づく。やがて結婚して子供が出来て住宅ローンや子供の教育で辞めるにやめられなくなる。一生はすぐに終わってしまうだろう。まぁそれも一つの生き方ではあるけれどね。
上手い具合に尻を叩かれるシステムが出来上がっている。できるならないも考えないで言われたように競争して前だけを向いては走ってくれればそれでいい。個人の幸せややりがいなど、人生についてなど考えない方が上の方は扱いやすいわけだ。一部のエリートさえ確保できればその他の雑多な労働力は安い使い捨てできる方がいい。生涯賃金も少なくて済むしね。というわけで派遣法ができた。うたい文句は「これからは自由に仕事が選べて、技術を身に着けてキャリアアップできる」嘘ばっかりだ。
教育は教えることが目的ではない。自ら知ろうという心を育てることにあると思う。そういう意味ではまだまだ後進国だな。自の物差しを作ることで自らの人生をコントロールできる自立した人間を作ることだ。お上に都合のいい人ばかりを作っているとこの国の未来はない。
就活とか婚活などお仕着せのルールなど無視することだ。人と同じでなくていい。人と比べないことだ。お金などなくても生きられる。人生は好きなように生きていいのだ。