はる 5547
さて今日は何を書こうか。個展が終わって今日で一週間経った。あの梅田での個展が一週間前だとは思えないな。もうずっと前のような気がする。
自分の中で一番テンパっていた個展は銀座松屋の第一回目の展覧会だ。知っている人も多いだろうけれど、昔のあそこのスペースは政治家や文化勲章受章者がお披露目を兼ねてやるような、まぁ何というのかとても敷居の高い場所なんだな。とてもとても無名の絵描きがやれるような場所ではない。借りてやったらそれこそ何百万の請求が来るような場所だ。
知らないという事は最強の力を持っている。たとえこの展覧会が大失敗に終わっても何も失う物がない。それどころか自分の経歴に銀座松屋の大画廊で個展をやったという勲章がつく。その時はそんなことも考えなかったのだから、幸せなものだ。
精一杯はったりで国画会に出した大きな作品を何枚もまとめて展示した。地元の回顧展もまだやっていなかった頃の話で、海の者とも山の者ともわからん無名の絵描きがそんなことをやれたのは無論私の力ではない。ビビる私を何でも好きにやれ、上層部の交渉を仕切ってくれた画商さんのおかげだ。
そんな画期的な展覧会だったはずなんだけれど、やっぱり企画的には失敗だったようにおもうな。まるで話題にならなかったし、その後の反応がまるでなかったことがそれを物語っている。孤軍奮闘、自己満足。まぁ楽しかったのだからそれでよしとしよう。