はる 5423
アートコレクターという雑誌がある。美術の窓の姉妹雑誌だが、どちらかと言えばタイトル通りコレクターのための雑誌と言っていいかな。これと似たものに「××××」というもっと露骨にコレクターをターゲットにしている雑誌がある。値段が堂々と明示してあるのでそれはそれで親切なのかもしれないな。銀座に専門のギャラリーを持っているので、そこから出発作家も多い。企業戦略として自分たちが募集したコンクールで賞を出してランク付けして雑誌で発表して値段を決めて行くというのはある意味分かりやすいというのか、何だかまんまとしてやられたという感じがする。
大手の××画廊でも少しレベルは違うけれど昭和会賞といって同じような事をやっている。もっと言えば芥川賞や直木賞も自分たちの出版社の賞で、企業のひも付きの賞だ。神がお墨付きを与えた賞ではない。もっともこういった類の賞は現世御利益で一発屋で終わることが多い。何を隠そう若い時にはそのコンクールに選抜されたくて何年も自己推薦で出品し続けたという経緯がある。だからそんなことは批判めいたことは何も言えない。まぁいずれにしろ、人の評価などというものはあてにはならんという事だ。そんなもののために自分の人生を決めたくはないし右往左往したくもない。
話を元に戻すと、そのアートコレクターのWEBサイトに私の松屋の個展の記事が載っていた。無料で紹介してくれるのありがたいことで、何にしろ作品や展覧会の紹介をしてくれるのは嬉しい事だ。しかし、そこで気づいたことは私以外のほとんど作品は要するに誰でもわかるキレイ画で占められていて、あぁ今の美術市場はこのキレイ画でなければ流通しないんだと認識を新たにしたしだい。キレイ画に対抗する絵として私などの絵を総称してキタナ絵と呼ぶことにしよう。このキタナ絵が主流になる日が来るんだろうか?