あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

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ポケットの窓から - 2015.09.28(ポケットの窓から)

はる 5194
 村上春樹のエッセイを読んでいて、賞について書かれている部分があった。彼は芥川賞の候補に二度なっていて結局は取ってはいない。いやも世界的なノーベル文学賞の候補になっていて毎年今年こそはと期待されているくらいだから、国内の新人に与えられる芥川賞などどうでもいい事なんだろうけど、ノーベル賞をとるかどうかを含めてどうでもいいことだという風に考えているようだ。

 まぁどうでもいと言うと多少傲慢に聞こえるけど、確かに誰でも褒められると嬉しいもので、若いうちはそれが励みになったり、きっかけになったりすることは大いにあり得るわけだから、どうでもいいというのではないな、どちらでもいいと言い直すか。たぶんそういったニュアンスだと思う。

 村上春樹と比べるのはおこがましいけれど、ご多分に漏れず若い時は賞が欲しかった。無名の作家が世の中で認められるには手っ取り早くコンクールで受賞する、それもできるだけ上位の賞をとることが絶対条件のように思っていた。

 当時の画壇で最高の賞は安井賞であり、売れ筋の画商のバックがついている賞が日動画廊の主催する昭和会賞だった。その他いろいろ冠のついたコンクールはあったけれどこの二つの賞以上のものはなかった。

 ちょうど時代はバブル景気でなんだか浮き足立っていた。そんな時に身近な知り合いが簡単に二つの賞をかっさらって一躍時代の寵児になるなるのを間近にみて、あわよくば私もと夢を見たのは若気の至りと一概には切り捨てられないだろうな。特に絵で何とか食べて行きたいと思っていた人間にはね。

 今から考えるまるで熱病にかかったかのように遮二無二コンクールに挑戦した。同じような絵を並べて描いて、これはAにそれはBにと出品し続けた。結果を知りたい?いままでどこにも書いたことはないけれどね。安井賞には一度推薦されただけで終わってしまった。昭和会は二度候補になったけれど、それで年齢制限で終了。私の挑戦は終わった。

 村上春樹も書いているけれど、賞というのは一時のものなんだな。確かに無名の人が注目されるきっかけになって一時凄まじく売れるかもしれない、時代の寵児になってもてはやされるかもしれない。でもそれはきっかけに過ぎない。結局作為的に誰かが推薦したり、人間関係で受賞したり、そうでなく純粋に審査されたものであっても、誰か人の手によって選ばれたものには、時代の空気、偶然みたいなものが左右して、恣意的なところに流れて行く、流されてゆく。人為的なものはやがては消えてなくなるのだ。今だからそう思う。

 絵を生業にして食べて行くというのはそういう事とはほとんど関係がない。地道に活動して自分のファンを増やしてゆく、それだけだ。


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