あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

今日のアトリエ - 2015.04.18(ポケットの窓から)

はる 5035
 今日はアトリエから大きな絵が出て行ったのでついでに掃除をした。大きな絵の床には絵の具のシミや壁土の落ちたのや色々雑多なゴミが落ちる。そんなことを気にして絵を描いているわけにはいかないので、何か節目があると床下の新聞を敷きなおす。

 あまり新聞を読まなくなったので、本当はもう購読をやめてもいいのだけれど、なかなか習慣で止められない。嫁が読んでいるというのもあるのだけれどね。

 たまたま開いたところが短歌の投稿の紙面だった。気になる言葉が目に飛び込んできたのでふむふむと読み始めた。「原発事故と日常・俵万智」という題名だった。この俵万智という作家は高校の国語の先生だったのが歌集「サラダ記念日」で一躍異例のスターになった人だ。その後も仙台に住んでいたけれど震災を受けて沖縄に移住する。こうやって書くとこの人は好むと好まざるにかかわらず、やはり何かついていて時代の表現者としての使命感があるように思えてならない。

 彼女が選んだ歌一首
 「甲状腺検査」だといふ五時間目「古典」の授業に五人公欠 本田一弘

 福島の高校生かな、五時限目というのは昼飯を食ってぽやぽやとした平和な時間でついつい眠たくなるような美しい時間だ。それがなんとも眠たくなるような「古典」の時間じゃなおさらだ。そんな平和を象徴する様な場でありながら「甲状腺検査」というなんとも不気味な響きの異常が入り込んでいる日常を歌ったものだ。たぶんこれが今の福島の生徒たちの何気ない普通の風景なんだろうな。それがなんとも悲しい。

 平和というのは「平和」である時には感じないものなんだな。異常でトラブルが起きて初めて平和を意識する。意識された時にはもうすでに異変は起きてしまっているわけで、取り返しはつかない。本来ならばのほほんと昼寝をむさぼる午後の平和な時間、失ってはじめて失ったものの大きさを知る。


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