あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

今日のアトリエ - 2015.01.10(ポケットの窓から)
はる 4937
 バブルの頃にテレビ番組で印象に残っているシーンがある。たぶん東京の下町の工場だったように思うが確かではない。若い30代ぐらいのオーナーだったけれど、代々の下町の工場経営者だった。工場にはこまごまとした機械があって、ついこの間まで確かに動いていたという雰囲気があった。それでその工場の裏にパソコンが置いてあって、何の疑問もなく今は工場を止めて従業員も解雇してトレーダーをやっている。その方があくせくして日々の稼ぎをするより効率がいいとしゃーしゃーと述べていた。

 取材する側の人間も多少懐疑的だったけれど、今はそんな時代だから仕方ないのかなぁという雰囲気であった。今日より明日の方が確実に株価が上がる、右肩上がりの成長している日本経済のある種の信仰はだれも疑問に思っていなかった。マネーゲームで利益を生むのであれば誰も額に汗して働きはしない。明らかに分かっていることなのに誰もおかしいとは言わなかった。その時代にいる人間には見えないんだなな。今見ると確実におかしいと思うことが、当時ではほとんどの疑いを持っていなかったように思う。

 土地は値下がりしないそんな神話もあった。みんながこぞって都会の小さな土地を買いあさった。誰かがそこに住んでいるのにそんなことお構いなしで、追い立てて金を貸し付けてそこにビルをぶっ建てた。土地を担保にして何億もの借金をして、終わってみれば大暴落で買った時の半額、それ以下にしかならず、膨大な借金だけが残った人も多い。誰が見てもおかしいのに誰もそのことを指摘できなかった。集団催眠のかかっていたようなものだ。

 騙された、知らなかったというのは簡単だ。いつも誰も被害者になりたがる。被害者であれば何でも許されるような風潮があるが、結局誰も責任を取らない。

 いま日本はとんでもない少子高齢化社会に突入している。根本はそこだろうな。明らかにこのまま進めば倒れてしまうことはわかっているのに大きな手を打たないでいる。これもまたみんなが気が付かなきゃいい集団催眠にかかっているようなものじゃないだろうかね。

 どんな社会を目指いしているのか、理想的なビジョンを提示して見せるべきだろうな。今こそ世界に先駆けて、成長を前提にしないコンパクトで効率のいい小さい社会を目指すというべきだ。そうすることで多くの人々の賛同を得るだろう。


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