はる 4931
かなり前の古い油彩画ですが、良い悪いは別にしてインパクトがありますね。
1995年の神戸の震災の後に描いたもので、自分の故郷が瓦礫の山になっている衝撃は言葉にできないものだった。その後私は傷ついた故郷をあとにして念願の長い旅に出ます。そこで見たものは人々の変わらない風俗や習慣や生活などなど、あぁ我々と同じだというのと、もう一つは我々とは全く違うという相反するものだった。
旅を終えて、まずやったことは総括として油彩画の最後の後始末と新しい画材の試作。これじゃないと思った画材をアトリエからすべて追い出した。そして新しい水になじむ親水性の布や紙、土など色んな画材をアトリエに準備した。
たぶん油彩画として最後のあたりの作品だ。その後ここら辺の作品をまとめて故郷で1997年「いのりのかたち」として個展をした。自分にとっての鎮魂の意味があった。そうしないと前に進めない気がしたからだ。