あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

- 2013.10.06(未分類)
「一角獣と魔笛」F10 2013
はる 4474
 小柄なバァサンが家の近くをうろうろしていて「○○は何処ですか?」と聞く。○○はここから5キロも離れた場所で方向がまるで違うと一応丁寧に教えたのだが、今ひとつ納得していない。ここから歩いてかえるというのだが、そのまま帰していいものか、思案に暮れる。自宅に電話して誰かに迎えに来てもらうという案を出したのだが、自宅には耳の遠いジイサンが居るだけで、たぶん電話には出ないだろうという。仕方がないので、車で近くまで送っていった。

 小奇麗な格好はしているのだが、持ち物はなく身元を示すものも持ち合わせていなかった。ただ手にはしおれたつつじの枝と葡萄に似た実をつける草を大事そうに持っていた。つつじはこれから花をつけるから奇麗ですよと、かみさんに言ってその葡萄に似た実としおれた枝をプレゼントしてくれたそうだ。

 ここらあたりでは毎日のように所在不明の老人の行方をたずねる町内放送がはいる。もう慣れっこになっていて、あぁまた年寄りが行くへ不明になってらぁと思うだけで、特別な感慨もない。それだけ迷子になる老人が多いということだ。

 今回のバァサンも今日は天気がいいので昼ごはんを食べて、散歩に出かけた。病院の先生には家にばかりこもっていないでどんどん歩けと言われたということで、最初は気持ちよく歩いていた。どんどん歩いた。河川敷のつつじが咲きそうだったので小さな枝もちょっと拝借。ちいさな葡萄の実ももいでジイサンのお土産にしよう。そのうちにだんだん日暮れてきて、さて帰ろうと思うとどこに居るのか分らない。さて困った。困った。どうしよう?

 人は切ない生き物だ。明日はわが身。 

comment(0)

 
secret


カテゴリ
アーカイブ
月別アーカイブ
プロフィール

あそびべのはる

Author:あそびべのはる
画家・榎並和春です。HPはあそびべのHARU・ここだけの美術館

リンク
このブログをリンクに追加する
カテゴリ
ポケットの窓から (3367)
未分類 (203)
日記 (935)
ベッドの上の王国 (13)
裸婦クロッキー (144)
作品 (130)
写真 (44)
今日のアトリエ (79)
「家族ごっこ」挿絵 (10)
未選択 (45)
ブログ (14)
you tube (96)
原発 (73)
イタリアスケッチ (7)
画集「こたえてください」1 (24)
「こたえてください」2 (6)
「山峡」挿絵 (7)
動画 (1)
フリーエリア

designed by まて