はる 3999
六月二十日からの千葉・山口画廊のDMが出来てきました。このDMに使った作品「エレジー」は出来上がった時に山口画廊のDMに使う看板にするのだと思った。自分の教室の賛助出品にしただけで個展ではどこにも出していない。
年間で約百点ぐらいの作品を描くけれど、その中でDMに使ってもいいと思う作品はそう多くない。あまり大きすぎても作者の力量は分るけれど、自己主張だけの独善であることが多いな。特に公募展で出品したような大作は美術館の企画なら分るけれど街の小さな画廊では場違いという感じがする。ターゲットをどこにおいているかということかな。
全面的に自己主張丸出しで「どうだ上手いだろう、私を見てくれ」といった展覧会も時と場所ではありえるのだけれど、その場合ターゲットは明らかに同業者か美術関係者ということになる。世の中と言うのか、世間一般の不特定の多数を相手にしている。観覧者もそこのところはよく理解していて自分の想い入れなどあまり持ち込まない。
反対に街中の画廊に絵を観に来る人というのはどういった人なのかということだな。慎ましやかな日常生活のなかで、何気にふと気がつかなかったことを気付かせてくれるきっかけが欲しいとか、若かった時には感じなかった過ぎてしまった時間や通り過ぎていった人の思い出を共有したいとか、そんな自分の心の中を見つめなおすきっかけを貰うために、わざわざ出かけて来る。だからそこにある物は作者のものでもないし作品でもない。ある種の天からの贈り物なんだな。できるなら、そうでありたい。