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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

イタリア滞在記 17 - 2005.09.19(日記)

         17 ヴェネチィア パドヴァ シエナ 小旅行の巻 4

 

 カンポ広場は大きな貝殻のような恰好をしている。広場といっても競馬ができるのだからその広さが想像できるだろう。イタリア人は演劇好きだ、それも歌劇(オペラ)だ。よく言われるようにオペラは総合芸術で、音楽、演劇、美術、照明、衣装、そして演出と、どれ一つ欠けても成立しない、すべてが渾然と一体となって一つの物を作りあげる。これは一朝一夕にできることではなくて、ながい伝統と訓練を必要とし、そしてその根底にはイタリアと言う国民性がある。それは、そういった芸術を愛し育てて行こう、楽しもうという意識があることで、特に選ばれた人々だけが楽しむのではなく、普通の市井の人々にもその意識が強い。これはとても大切なことだ、だからこそいまだにイタリアは多くの人々にとって魅力のある国でいられるのだ。カンポ広場の貝殻状の蝶番の部分に立つと、「これは舞台装置だ」と思う。背後にあるのはこの町の象徴プッブリコ宮殿市庁舎、背景とすればこれほど立派な物は望めない。周りはぐるりと建物に囲まれて、音響効果もよさそそうだ、それによくある野外劇場のように、すべての中心がこの一点にむかって微妙に傾むいていて、観客の目を嫌でも引きつける様になっている。特に劇場ではなく日常空間にこういったスペースを持つ国民は、やはり意識が変わって来ると思われる。観光客は買い物や観光に疲れると、三々五々この広場にやって来る。私たちもこのテラスでカプチーノを注文する。

 シエナは絵画史に於いても重要な場所で、シエナ派と言われる多くの画家を輩出した。ドゥッチオ、シモーネ・マルティーニ、ロレンツェッティ、の名前は絵画ファンでなくとも聞いたことがあると思う。ただイタリアの場合、あまりにも数が多いため、どれが本当に大切な作品なのか混乱してしまう、やはりかなり美術史なりを勉強して行ったほうがいいだろう。反省。

 夜にプッブリコ宮殿のホールでコンサートがあると言うので出かけた。残念なことに前日ならばシモーネ・マルティーニの壁画の前で聴けたそうだが、今日は小さなホールだった。昼間この市庁舎にあるマンジャの塔(102m)の一番上まで登ってかなり疲れていたので眠ってしまわないか心配だったが、ここの音楽学校の色々な国の学生たちの指揮で変化があって面白く、充分楽しめた。特に日本人の学生の指揮があり、妙に日本が懐かしくなっていただけに、身びいきか良くおもえた。話は変わるがマンジャの塔と言うのは可笑しな名前で「マンジャーレ」が「食べる」、カピトーネで食事の時よく利夫さんが「マンジャ、マンジャ」と言っていたのを思い出した。「食べろの塔」かと思って調べてみると、「マンジャ」とは人の名前だったそうだ。レオナルド・ダ・ビンチがビンチ村のレオナルドだとすると、ひょっとするとマンジャおじさんは物凄い大食漢だったのかもしれない。



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