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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

イタリア滞在記 13 - 2005.09.15(日記)

         13 日常生活の巻 3

 

 カーサ キムラの家は彼らが来るまではほとんど倉庫だった。婆さんが一人で住んでいたそうだが、亡くなってからはだれも住んでいなかった。利夫さんたちはローマに住んでいてどこか適当な田舎家を探していてこの家を見つけた。一階は大きな家畜小屋で二階に住めるようにはなっていたそうだけれど。バスもトイレももちろん水道もなかった二万坪の土地とこの家がついて、日本ではとても考えられないような価格で購入、その後一階をリビングに改装、大きな暖炉を部屋の真ん中の壁にどんと据え、キッチンを増築、二階を三部屋とバスルームに分け、水道を引いて、トイレの浄化槽を埋め込み、外壁を昔のオリジナルの壁にして、外回りの整理、庭に芝をはって、etcそれだけでも一冊の本になるほどの手を入れて現在に至そうだ。それ故彼らは自分たちの家に大変な愛着を持っていて例えばリビングの床には、シエナのカンポ広場のレンガを焼いたと同じ工房の職人を使っている、とかリビングの柱は隣のジュゼッペ爺さんが若いころ山から切り出してきたものを使っていて、自分が丸太にしたのだ。とか自慢げに話していた。

 家づくりの思想がかなり違う。いいものを自分たちで選んで、ゆっくりじっくり楽しみながら、家を作っていく。お金はかかるけど、小綺麗で破調も少なく、とにかく直ぐにというのが魅力で出来合いのものを使って貴方任せで家を作るのと、お金はないけどゆっくり自分が参加しながら家を作っていくのと何方が豊かなのか。二十年経った時、本物は益々磨きがかかり重厚さをまして行き、反対ににせものは壊して建て替えるしかない。残るのは多量のゴミだけという悲しい結果になる。大量生産、大量消費、大量塵芥という悪循環を何処かで転換していかなければ、明るい未来はないと心底思った。

 西欧の若者たちはよく旅行する。ウィーンからの帰りに夜行列車に乗った事は前に書いた。寝台車で一緒になったのはオーストリアの医学部の学生だと言っていた。ボロのバックパッカーで旅慣れている感じだった。若い時はみんな貧乏で体力だけはあるので安い寝台車でホテル代を浮かして旅をする。年を取るとやはりその体力をカバーするだけのお金が必要で少しリッチな旅をする。ユーロパスで一等車に乗れば、そんな老人夫婦ばかりだ ローマの空港で沢山のブランド品の紙袋を持ってわいわい騒いでいる集団にあった。日本人の女性ばかりの団体で、最近の日本人はものおじしなくてよいなぁと思っていると、突然みんな例のウンコ座りをして話だした。お金があるから高級ブランド品を買うそれはまぁいいとしても、一見して小綺麗なカッコウをした娘たちがどうして国際空港の真ん中であの座り方をするのか。格式、様式、スタイルそういったことを一番大切にする国で貴族御用達のブランド品を買って、どうしてカッコよくスマートに振る舞えないのか。物だけ買ってそれで一流になったように思うのはまちがいだ。いっそそれならイタリアの見栄っ張りの性格までも買って来い。



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