
田上允克展
2/18~26
甲府・イノセント
055-222-4442
はる 3897
私の絵はいい加減である。私自身がまことにもっていい加減な人間だから、その分身である絵もいい加減でしまりがない。それでも昔はそこそこまじめに絵を描いてはいたんだけれど、このところの絵はほとんど描かない。
この間銀座のデパートで個展を開催してもらったけれど、あんなにいい加減な絵でもいいのかと我ながら不思議に思った。たまたま訪ねてきた絵描き仲間がこんなことを言っていた。「貴方の絵を観ていると、まじめにしこしこ描いていることが馬鹿馬鹿しく思えてくる・・」まぁしてやったりで、このことは褒め言葉と解釈しよう。
うんと技が切れて、圧倒的に他を凌駕しているならば、その技で生きる事も可能だな。多くの作家はその事で賞賛の対象になるし、最も分りやすい特徴だ。それが美術の「術」というやつだな。
私にはそんな目に見える、他を圧倒的に引き離す技術がない。だから勝負するに他の事を考えるわけだ。ここのところが難しい。だから絵は極力描かない。成り行きに任せてしまう。筆の行きたいように、絵の具が流れるように、あるがままに身を任せてしまう、カッコよく言えばだな。そうはなかなかならないのだが、そんな風になれれば何を描いてもいい。絵でなくてもいいとさえ思っている。
私の理想とする「美」かな。もう少し説明が必要かな・・。