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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

イタリア滞在記 12 - 2005.09.14(日記)

         12 日常生活の巻 2

 

 昼食に二時間はかける、だいたいパスタから始まって、肉料理か魚料理、サラダかチーズ、最後はエスプレッソで締める。もちろん、いつも自家制のワインが側にある。私自身ほとんどアルコールが飲めないので匂いを愉しむ程度。奈良漬けでも酔ってしまう、イタリアに来てワインが飲めないなんて、もったいないと利夫さんによく言われた。しかたない、こればっかりは体質だから、諦めた。

 午後は昼寝の時間、大体どこの店も閉まってしまう、街にでても人通りが途絶える。元来が怠け者の私はこの習慣だけは直ぐに身についた。シェスタはなかなかいいものである午後の活動は四時過ぎから、誤解のない様に言っておくが、マリアは朝五時には起きて仕事している。

 カーサ キムラには駄犬のロビンと駄猫のシロのほかに、鶏が十数羽、鳩が二種類、一方は鑑賞用、もう一方は食用だ。イタリア人にとって御馳走である鳩の丸焼きも、私たちには今一つ食欲のわいてくる物ではなかった。日本人にとってパスタやリゾット、最近ではピザなどは馴染み深く、むしろさすがに本場なにを食べても、例外なく美味しい。ビザも本当に色々な種類があり、生地の部分も厚い物、ごく薄い物とあってそれぞれの店の特徴となっているようだ。パリパリになった生地とトロトロのチーズのミスマッチが口の中で混ざりあっておいしい。特に秋口のキノコのシーズンはきのこ好きの私には応えられなかった。

 隣のジュゼッペ爺さんの家は典型的なイタリアの農家で毎日食べるパンはもちろんピザも自分の家の石窯で焼く、生ハム、チーズ、サラミほとんどすべて自家製である。自分たちで作った物を自分たちで食べるということに、彼らは自信と誇りを持っている。「おれが他で作った物を食べると思うか」と爺さんはよく言っていた。農業が企業のように利潤を追求しだすとこれほど割りの合わない職業はない。爺さんの家ではよく夕食を御馳走になった。イールダ婆さんはなんの偏見もなく我々を迎え入れてくれ、何かと気を使ってもらった。日本に帰る時には「いつ帰ってくるのか」と何回も聞かれて困った。イノシシの肉はもちろんウサギやキジ、これはもちろん爺さんが山で猟をしてくるのだが、「カズハル 今日のは何の肉かわかるか」と言われて、まぁ普通の肉ではないと思ったが、想像もつかず、それがヤマアラシのにくだと聞いて吐きそうになったのを懐かしく思い出した。ジュゼッペ爺さんとイールダ婆さんは結婚五十周年を何年か前に済ませたばかりで、それでも今だに毎日キスを五十回もするのだと自慢していた。かってにして下さい。

 夕方はロビンと散歩に出かける。夕暮れ時のカピトーネの風景はとても言葉では表現出来ない美しさだ。茜色の空がだんだんに群青に変わり、ブドウやオリーブの木が闇に沈む頃、夕食になる。



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