はる 1512
まだトラブルが解消しません。もう少し待ってください。
中庭にあったニセアカシヤが枯れてしまったことは、どこかに書いたおぼえがある。ここに引っ越してから階段の隅に窮屈そうにはえていた子株を、裏庭の納屋のそばに移植したのは、もう10年以上前になるかな。
一時は春になると一せいに若葉をだし、豆科の植物独特の白い房状の花を枝いっぱいにつけて、ブンブンとミツバチが蜜をあさりに来ていたものだ。
知らなかったのだけれど、庭木としては不適切だと何処からか聴いた。なぜかといえば、あまりにも大きくなりすぎるということ、深く根を張って例えば水道管などを持ち上げてしまうこと、などなど。
秋にはいっせいに小判色の小さな葉をハラハラとちらせて、あたりは一面の黄色だった。そこらまでは許容範囲、許された。
まぁいいやと高をくくってはいたのだけれど、言われたように大きくなりすぎた枝から落ちる落葉は、隣の家の樋まで詰まらせた。何にも言われなかったけれど、それが無言のプレシャーとなった。
いつ頃からか、私の心の中でも疎ましく思えてきた。彼には責任はない。私の責任だろう。大きく枝を落とした。
次の春、花のつき具合がおかしくなった。多分天候不順のせいだとばかり思っていた。花が終わって夏に入った頃に、季節はずれの花をつけた。おかしいなぁとは思ったけれど、そのままやり過ごしていたら、根元に大きなキノコが生えた。調べたら、これが出たら二年くらいで木は枯れると書かれてあった。
ちょうど二年して春になっても葉をつけなくなった。死んでしまった。ごめんなさい、私のせいです。
昨日、切り倒しました。
Author:あそびべのはる
画家・榎並和春です。HPはあそびべのHARU・ここだけの美術館