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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

作品の発生 - 2010.08.16(ポケットの窓から)






 

はる 3340

 いつも夏のこの時期は、一年分の大半の小品を描く。もちろん各個展前にも少し新作を追加するのだけれど、多くても20点ぐらいでそんなには多くない。今年も60点から70点ぐらいの作品を同時に描いている。



 やり方は一定の決まりはないのだけれど、春の団体展の作品が終わった頃から地塗りを始める。私の場合この地塗りがけっこう重要な要素で、単に作画のための下塗りではない。布をコラージュしたり絵の具をたらしたり、壁土を塗り込んだりして何となくデコボコした独特の肌合いが自然に出てくるのを待つ。この時にはまだ何を描くのかはまるっきり考えていない。



 胎児は母親のお腹の中で生物発生から進化の様子を順に踏まえてゆくそうだが、こういった作品もある意味で私の分身であるから、私の今までの描画のスタイルの変遷を順番にみせているように思う。一つの作品は突然そこに現れてきたのではなく、私の今までの経験や体験が何らかの形で沈み込んでいるのだ。だから真似をしても同じものにはならないし、百人の作家がいれば百通りの方法があって当然だ。それを考えるのが作家の仕事だとも思うな。



 ある程度地塗りがいい感じに仕上がってくると、そろそろその中にあるイメージを見つけに仕事になる。けれど大体において最初のイメージはありきたりでつまらない場合が多い。無理やりいじめて何とかアイデァを出したような作為的なものは、ほとんど二順目あたりで消えしまう。そうやって何度もなんども繰り返して自分の頭の中を覗き込むような仕事をしていると、突然ピカリとひらめく時がある。そうなってくればしめたもので、自分では絶対描けない様な作品が描けたりするのだな。まぁ時々だけれどね。



 今回もまだまだ二転三転するのだろうと予測している。



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