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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

ユング心理学 - 2010.08.15(ポケットの窓から)
 





 

 はる 3339

 村上春樹の「1Q84」の3を読んでしまってから、もう一度1から読み直している。私は本にあまり興味がないので、一度読んでしまったものは二度読むということがない。ほとんど読みっぱなしで次から次とやたらと乱読といえばかっこいいけれど、ほとんど無節操に漫画から文庫の駄本まで、読んでしまったらリサイクルショップに売ってしまう。趣味と言うのか暇つぶしというのかそういった読み方で、とうてい読書家とはいえない。



 村上春樹のロングインタビューを読んでいる。同郷でだいたい同じ世代で、リアルタイムで彼の言っていることはよく分かる。はっきり言って小説よりはわかりやすい。大体の作品は読んでいるにも関わらず、いままで割りと縁遠い存在で好きな作家ではなかった。まぁ今も本当には分かっていないのかもしれないけれどね・・。



 今回のインタビューで気になった言葉は「井戸を掘る」というフレーズだ。降りていって深く掘り下げることで、今まで気付かなかったことに気付くようになる、というようなことを言っていた。これは私の今のテーマともしっかりと関係している話で面白いなぁと思った。



 小学校の頃の話で、自分は極普通の中産階級の子供で、特別いじめられもしなかったし、傷つきもせずに育ってきたと思ってきた。だから何の問題意識もなく30近くなるまで小説を書こうとは思わなかった・・、という風に考えていたらしい。ところが小説を書き始めて、どんどん自分の中を下ってゆくと今までなんでもなかった子供時代が違った目で、感覚で捉えるようになった。



 親とか学校とか、まぁ色々な意味で既成の体制があるわけだ。子供は生まれて最初はそこそこ幸せに暮らしてゆくのだけれど、ある意味でどこかで規制がかかる。教育とか、しつけとか、規則とか、常識とか、世間体とかなんがか分からない、世の中の常識みたいなものに暗黙のうちに傷つけられているんだな。なんとなくわかる。



 気がつかなければそれはそれで幸せな一生なんだけれど、こう表現という仕事をしてゆくとどうしてもそういったところまで降りてゆかなければ、書けなかったり、描けなかったり、するわけだ。ユング心理学者の河合隼雄との接点もそんなところにあるようだ。こわいけれど、なるほどと同感するところ多し。

 



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