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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

結界をはる - 2009.11.27(ポケットの窓から)






 

はる 3082

 個展が終わってからも結構忙しくて、まだ片付けがすんでいない。いつもはこのまま東京の個展になだれ込んでゆくのだが、今年は年内はこれでお仕舞いになる。



 毎年、銀座で個展をはじめて20年以上になる。最初、銀座ワコービルが分からなくて人に聞いたりしたのだから相当なものだ。そんなおのぼりさんでも何回か出かけるとやがてはなれるものだ。今では東京で一番地図がわかっているのは銀座界隈で、はっきり言えばそれ以外はまるっきり分かっていない。



 クリスマスの頃の銀座は何となくウキウキする。デパートやお洒落なビルがデコレーションして益々綺麗になる。サンタの格好をした昔ながらのサンドイッチマンがいたり、大きなツリーのイルミネーションがきらきらしたり、街中の雑踏がその時だけは楽しげなバックミュージックになる。子供の頃にクリスマスが待ち遠しかったように、こんなオヤジになってもどこかそんな気分が残っているのが不思議だな。



 話題が変わって。

 教室でちょっと話題になったんだけれど、絵に額をつけるよね、何故だと思う?まぁ最近は簡単にテープを巻いてすませる人もおおいけれど、額によって作品の印象ががらりと変わったりする。



 馬子にも衣装で、単に飾り物なのかということだな。私は随分と前から、これはあちらの世界とこちらの世界、あの世とこの世の境界、すなわち結界だと思って来たんだな。



 天地創造のように限られた空間ではあるけれど、作家が思いのまま世界を構築するわけで、他からの影響を極力排除したい。そのためには何らかの意識された境界が必要なわけで、地鎮祭の時に笹を四方に立てて綱を張るように、どこでも好きなところに「わが世界」の穴をうがつわけだ。よほど強固な結界でなければ自分の意志とは裏腹に他の俗な世界がひたひたと押し寄せて来て、ああしろこうしろとかしましい。



 個展なんかでもそうなんだけれど、会場内というのはある種日常の空間と異質な空間になるわけだ。会場に一歩足を踏み入れたらそこは作家の意識された特殊な世界に入り込むわけだな。俗な世界と隔絶するためにも何かしらの境界が必要なわけで、絵の場合でいうならそれが額ということになる。



 今回ほとんどの額をボックス型の標本箱のようなシンプルなモノにした。デコラティブな古色感のある額も好きなんだけれど、あえてそういった装飾を廃した形にした。



 それは絵そのものをストレートに観てもらいたいということも大きいのだけれど、私の場合、絵のサイドも作品になるような気がしてきたからだ。今までの作品を入れ込むタイプの額だと物理的に端っこを何ミリか取られてきゅうくつになる。



 そもそも、ルオーのように額も一緒に描きたいと思っている。だからこのタイプの額がまぁ今のところ気に入っている。

 



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