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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

路傍の石 - 2007.08.29(ポケットの窓から)
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写メ

はる 2265
 小品は難しい。おうおうにして大作のスモール版か、ありきたりの花や風景スケッチでお茶を濁してしまうことが多い。年に大作ニ三枚しか描かない作家にとって、小品とはその程度のものなんだろうけれど、本当は作家にとって小品こそ力量が問われるものだと思う。

 まぁ有名な作家にとって、小品は芸能人のサインや身の回りの小物みたいなもので、コアなファンにとってはどれでも大切なしるしなんだろうけれど、本当は作家にとってはそれこそお客さんと地かに接する唯一の機会なんだな。それを逃してしまうと二度とチャンスはめぐってこないと思ったほうがいい。

 一つの作品に如何に思いを込めるか。一つ一つが完結した世界を持っていなければならない。一つの作品は他の作品と同じであってはいけないわけで、ちょっと言葉は重いけれど、ある種身を切ってのせなければ人には伝わらないように思うな。そこのところを勘違いしている作家が多いように思う。

 絵の流通はどうなっているのかと考えると、結構暗たんたるものがある。まぁこれは日本の住宅事情が昔の日本家屋みたいなものではなくなって、絵を飾るスペースというのが極端に少なくなってしまったというのが大きい。

 もう少し広く一般の家庭で日常的に絵を飾ったりして需要がのびれば変わってくるかもしれないが、今のところその傾向はない。

 だから絵が求められるのはごく限られたコレクターを相手にするしかないという、困った現状だ。けれどね、どんな時代であっても欲しいと思う人はいるもので、戦争に負けて時代がひっくり返ったような時期でもお宝を求める人はいたんだと思うな。

 だから、今みたいな難しい時代に求められる作品こそ本物かなと言うふうに思う。

 多分それは奇をてらったものではないだろうし、ごくありふれたどこにでもあるような「路傍の石」のようなものなんだろう。そんな作品を創ってゆきたい。



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