写メ 「絵の具のストック」
自家製の絵の具はどうしてだか長持ちしない。カビが生えるとか、硬くなるとか、変色するとか、色々トラブルが多い。最初は防腐剤を買ってきて混ぜたりしていたのだが、薬品をつかって長持ちさせるのもせっかく土性絵の具をつかっているのに本末転倒だとおもってや止めにした。今はタッパーにいれて冷蔵庫に保管している。↑はその容器です。
昔は画家の工房にはその師匠の秘蔵の絵の具つぼがあって、若い徒弟は絵の具を練る仕事からやらされたにちがいない。今でこそ、画材店に行けば色とりどりの絵の具が選り取りみどりだけれど、ちょっと前は絵の具は高価なものだった。
いまでも日本画では一回一回絵の具をニカワでとく。まぁそう考える日本画は昔からのスタイルを世襲している。やり方としてその方が理にかなってはいるとは思う。けれどまぁ、私は接着剤にアクリルエマルジョンを使うことに慣れてしまった。というのか、この私の技法スタイルはボンドやアクリルジェルメジュームがなければ始めなかったような気がする。
その人ならではの画材があって、技法やスタイルが出来てくるように思う。勘違いするのはスタイルや技法だけを真似することだ。器用なひとは本人以上のものが簡単にできるだろう。真似はいくらでもできるけれど、それは本物じゃない。自分からにじみ出た技法やスタイルでなければ意味が無い。
だから技法やスタイルをどんどんオープンにしている。秘密はなにもない。
Author:あそびべのはる
画家・榎並和春です。HPはあそびべのHARU・ここだけの美術館